「現代ジャーナリズムの特性と課題」 7/31 14:30-16:00 担当教員:谷藤悦史
ジャーナリズムのあり方は、多様である。現代のジャーナリズムは、どのような特性を持っているのか。近代以降のジャーナリズムの展開を歴史的にたどりながら、現代ジャーナリズムの主要な特性を描き出す。次に、政治的にも、経済的にも、技術的にも大きく変化しつつあるメディア環境の中で、現代ジャーナリズムにいかなる変化が起きているかを、ニュースの政治社会学の成果を踏まえながら、ニュース生産を中心に明らかにする。
「科学の営みとは何か?科学の価値、科学と価値」 7/31 16:10-19:20 担当教員:長谷川真理子
現代社会は科学を基盤として動いている。人々は、科学の考えとその成果から、いろいろな恩恵を得ている。その一方で、科学が発達しすぎたから今の世の中はおかしくなった、という議論もある。では、科学とは何なのかという問いを発すると、結局は、人間とは何か、思考とは何か、喜びとは何か、という話に達する。
現在使われている科学は、西欧近代科学に基礎をおいている。しかし、もう少し広く、「科学的思考」とは何か、「知りたい」という欲求とは何か、といった、人間の心の面からも検討して、科学と価値の問題、科学の価値の問題について論じてみたい。
「フィクションとしての脳死―日米比較と考察」 7/31 19:30-21:00 担当教員:瀬川至朗
脳死と臓器移植は、ジャーナリズムにとっても重要なテーマである。脳死の概念が登場 して約40年になる。脳死先進国の欧米では人の死として定着したと考えられてきたが、近年、「脳死の人は死んでいない」とする欧米の医学者らの論文が、学術誌に掲載されるようになった。彼らは、脳死概念の矛盾やフィクション性を指摘する。そうした論文を手がかりに、歴史、医学、哲学の視座から脳死問題を考察し、日本における脳死論議を問い直していく。
「中央研究所の時代から産学連携の時代へ」 8/1 14:30-16:00 担当教員:西村吉雄
民間企業における研究開発のあり方を,19世紀末から現在に至るまで整理する。20世紀初頭から1970年ごろまでは,各企業が自前の中央研究所で研究するのが主流だった。これが1970年代から変わり始め,1980年ごろからは,自前主義から連携協力へ,大企業からベン
チャーへ,そして中央研究所から産学連携へ,と転換 してきた。この転換の背景,理由,現状を概観しながら営利企業における研究開発の意味を考える。
「Web 2.0 時代の研究開発モデル」 8/1 16:10-17:40 担当教員:西村吉雄
インターネットがあらゆる活動のインフラストラクチャとなったことによって,産業構造の転換が起こり,研究開発モデルにも大きく変わった。この講義ではまず,Web
2.0 以前のインターネットの影響(いわば Web 1.0)による産業構造の変化(自前主義から連携協力へ,垂直統合から水平分業へ)を整理する。次に
Web 2.0 の本質を,不特定 多数の能動的参加ととらえ,WikipediaやLinuxにみるオープンソース活動が,これからの研究開発モデルをどう変えるか,
これを予測してみる。
「地球規模感染症とその対策 ーエイズ、新型インフルエンザー」 8/1 17:50-19:20 担当教員:若杉なおみ
「人口・リプロダクティブヘルスとジェンダー」 8/1 19:30-21:00 担当教員:若杉なおみ
人間の健康に関連する科学技術(生命科学・医学・医療)を、ミクロ(DNA・遺伝子)からマクロ(公衆衛生)まで見通しながら学ぶことを目的とした私の講義のなかでも、今回は、地球規模的でありかつ同時に日本の健康課題にも直結した、感染症(エイズ、新型インフルエンザ)と人口・リプロダクティブヘルス(性と生殖の健康)(人口爆発、少子化)について話します。感染症と人口問題は「人間の安全保障」という新しく提唱されている概念が重視している極めて重要で現代的な課題です。
「科学ライティングの基本」 8/2 14:30-17:40 担当教員:青山聖子
科学を伝える文章を書くことは、評論やエッセイを書くよりもやさしい。いくつかのポイントに留意して書けば、名文でなくても「伝わる」文章を書くことができる。本講義では、科学を伝える文章がどんな場面で必要とされるかを概観した上で、書くときの心構えと準備について述べる。さらに、受講生には、事前に課題を提出してもらい、その講評を通して、実際に書くときに注意すべきポイントを示す。実習という講義の性格上、課題を期限までに提出しない受講生については、聴講は認めるが評価はしない。
「メディア界におけるモーダルシフトの動向をさぐる」 8/2 17:50-21:00 担当教員:小林宏一
従来、トラック便のみによって構成されていた物流系の一部(特に長距離系のそれ)を鉄道・船舶等の大量輸送手段に切り替える試みとしてのモーダルシフトは、近年、大手運送会社によって採用されるところとなり、メディアを通じて喧伝されてもいるが、メディアの領域で頻繁に語られるものの、その実態が必ずしも明らかではない「放送と通信の融合」現象もまた、いまひとつのモーダルシフトではないかとの視点に立って、メディア界ひいてはジャーナリズムの領域」で生起している構造変動の現状と今後の動向について考えてみたい。
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