早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース top line
これは2005年度から2009年度までのMAJESTyプログラムのアーカイブです
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若杉写真 若杉 なおみ Naomi WAKASUGI
 

Naomi WAKASUGI, MD, Ph.D.

早稲田大学政治経済学術院 教授
元 国立国際医療センター研究所 疫学統計研究部長


担当授業:医療と社会、リスク管理、開発と健康ジェンダー




専門分野

  • 小児科学
  • 免疫学・感染症学(エイズ)
  • 国際保健医療
  • 社会医学

略歴

 

1947年

横須賀市生まれ

 

1972年

東北大学医学部医学科卒業

 

1972年

国家医師免許取得、1985年 医学博士号取得

 

1972年
〜1986年

小児科医時代
【大宮日赤病院、国立小児病院アレルギー科、自治医科大学小児科(1974〜1986)】

  1982年
〜1995年
免疫学研究者時代
パリ留学8年間(1982〜1984) (1986〜1992)
【ネッケル小児病院免疫科、ギュスタブ・ルーシィ癌研究所、パスツール研究所エイズ免疫科】
メルク万有分子生物学研究所上級主任研究員(1992〜1995)
 

1995年
〜2005年

国際保健医療協力、社会医学研究者時代
国立国際医療センター国際医療協力局派遣協力課 (1995〜1999)、
国立国際医療センター研究所疫学統計研究部長(1999〜2005)

 

2005年 11月〜

現職

 

・略歴追補

 父は生涯ジャーナリストで読売新聞の政治部記者だったが、戦後最大の読売争議で戦い(私は争議の最中に生まれた)、私が3歳のとき故郷の宮城県鳴子町に戻って「仙北新聞」という地方紙を始めた。私の家の中には、編集室や活字組み、輪転機、製版機などがある工場があって、学校から帰ると、記者のひとたち、植字工、印刷工、配達の人たちの間をぬって話したり遊んだ毎日だった。取材、執筆、編集、印刷、配達という新聞メディアの全工程を見て育ったことになる。

 母は当時はめずらしい職業婦人で東北大医学部で看護婦をしていたが、結婚して父の仕事を手伝う側にまわり、従業員にまじって首に手ぬぐいをまき、印刷、配達、集金で忙しく働きまわりきりもりをしていた。「えんぴつ書き雑記」という、朝日の天声人語のような父の毎日のエッセイや社説の一番の読者でもあった。

 私は小学校のころは生死をさまようほどの病気ばかりをして、これはもうだめだということで2時間かかる仙台の東北大学病院に移された時、「病院のにおいが好き」と言ったそうだから、そのあたりに医者になる原点があったのかも知れないが、中学高校では本ばかり読んで小説家か翻訳家か弁護士になるのが夢で、大学は文系受験をしたが不合格。さて浪人だとなったときに突然、どうせ勉強するなら医学部に行く、と急展開。そして医者になった。このような父母の経歴が、私のジャーナリズムと医学のハイブリッド的要素のもとになっているのかも知れない。ちなみに兄はやはりジャーナリスト志望だったが、聾教育の世界に入って長く聴覚障害児教育にたづさわり、ベル研究所などで難聴の研究をして医学博士号を取り、現在聴覚視覚障害の学生のための筑波技術大学の学長をしている。

 医者になってからの私は自分もふたりの子どもを育てながら、夢中で必死に働いた小児科医時代、子どもの病気をみていてもまだ解明されていないことがたくさんある、と思って入っていった免疫学研究の時代、そして科学技術が発達し研究をして薬ができても必ずしもその恩恵を受けられないたくさんの人や国がある、と思って入っていった国際医療協力の時代を経てきた。その中で特にフランスでの8年の研究生活と約10年間の国際医療協力でおとずれたアフリカを中心とした20ヶ国ほどの開発途上国で見て触れたものから学んだものは大きい。


趣味&特技

趣味:映画、読書、愛犬との散歩、と月並み。他には買い物が好き。特にアフリカ・アジアの民芸品。小ぶりの動物たちの彫り物や布、アクセサリー。アフリカから帰ってきて日本のデパ地下の食べ物を買うのも好き。

特技:

  1. 旅の荷造り
    (必要なものを必要なだけ、直前にでもぴたりとスーツケースに詰められるようになった。開発途上国に行く時は現地で補充ができない、衣服、めがね、化粧品、洗剤、文房具、紙、電池までそろえていく。トイレットペーパーまで持っていく人がいるが、これはこのごろなんとかなる。)
  2. 値切り交渉
    (あっさりまけてくれる国とそうではない国とある。このコミュニケーションが楽しい。日本でもこれをうっかりやりそうになる。。。)


過去の業績

(1996年以降の国際保健・エイズ社会医学研究の主な論文。それ以前の免疫研究論文は除く)
1. Christine Kaseba-Sata, Francis Kasolo, Koji Ichiyama, Satoshi Mitarai, Ayako Nishiyama, Naohiro Kanayama and Naomi Wakasugi. Increased risk of intrauterine transmission of HIV-1 associated with granulocyte elastase in the endocervical mucous. (Journal of AIDS 2006 Feb 1;41(2):249-251)
2. Chipepo Kankasa,, Margaret Siwale,, Francis Kasolo,, Ayako Nishiyama,, Hiroshi Terunuma, and Naomi Wakasugi Socioeconomic and reproductive factors associated with condom use within and outside of marriage among urban pregnant women in Zambia..(African Journal of Reproductive Health, 9(3):127-132, 2005)
3. 若杉なおみ 女性と子どものエイズーリスクの回避と脆弱性の減少に何が必要か?アフリカ研究 67:107−120、2005
4. 若杉なおみ HIV−母子感染の現状と今後の方向 小児科臨床別冊「子どものための国際保健医療協力―各論―」 58:1361-1369、2005
5. 若杉なおみ 「エイズ」国際保健医療学 改訂版(国際保健医療学会編・杏林書院)  
201-206、2005
6. Naomi Wakasugi, Ayako Nishiyama, Armand Randrianarivo, Assitan Sacko, Margaret Siwale and Chipepo Kankasa. The role of women’s empowerment as a factor facilitating condom use- Metaanalysis: the results from African countries. XV International AIDS Conference International Proceedings E710S3358, 113-116, 2004
7. 若杉なおみ FGMの起源と文化―女性の健康とジェンダー・セクシュアリティの視点から 地域研究 (国立民俗学博物館地域研究企画交流センター・平凡社) 6(1):199-220,2004
8. Armand Randrianarivo, Maminirina Razafinanefa, Monique Rasolomaharo, Ayako Nishiyama, Naomi Wakasugi. Child death and women’s earnings are associated with condom use in Madagascar. Tropical Medicine and Health 32(1):27-30, 2004.
9. 若杉なおみ アフリカ社会に深く埋めこまれた慣習FGM:健康とジェンダー・セクシュアリテイの視点から アフリカレポート37:21‐27, 2003 アジア経済研究所
10. 若杉なおみ 世界のHIV母子感染の現状と予防対策 BMSA Journal of Bio-Medical Science association 15(1):15-21, 2003
11. Handema R., Terunuma H., Kasolo F., Kasai H., Sichone., M., Yamashita A., Deng X., Mulundu G., Ichiyama, K., Yokota T., Wakasugi N., Tezuka F., Yamamoto N., Ito M.. Prevalence of Drug-resistance-associated mutations in antiretroviral-drug-naive Zambians infected with subtype C HIV-1.AIDS Research and Human Retroviruses.  19(2):151-160,2003
12. 若杉なおみ ザンビアでのエイズ母子感染予防に対する取り組み ConfrontingHIV no.20;4 2002
13. 若杉なおみ 総説:アフリカにおけるHIV母子感染 −ジレンマの克服と今後の展望− 日本エイズ学会雑誌 2002;4(2) 66‐75
14. 若杉なおみ「国際保健医療学」国際保健医療の現状と課題 アフリカ 杏林書院 2001;234−237
15. 若杉なおみ 「世界の公衆衛生体系」マダガスカル共和国、象牙海岸共和国日本公衆衛生協会出版 2000;433−446
16. 若杉なおみ「国際医療協力と成育医療」日本医師会雑誌1999;122(9);1373
17. 若杉なおみ FGMのアフリカにおける実態と母子保健に与える影響.国際保健医療 1999;13(2)65-74
18. 若杉なおみ「講座 人間と環境」 第5巻 出産前後の環境 −からだ・文化・近代医療− 第10章 FGM −文化という暴力− 昭和堂出版1999 ;282-303
19. 若杉なおみ 新興・再興感染症と国際医療 「今日の感染症とその対策」
平成10年 港区民大学公開講座 1998
20.清水利恭、高橋央、若杉なおみ 共訳(仏語訳) 「熱帯医学」 Gentilini著
FLAMMARION出版/中山書店 1997
21. 若杉なおみ 「ボリビアから」 世界と人口11 JOYCEP 1996
22. 喜多悦子、 若杉なおみ、青山温子、山田多佳子 世界の母乳栄養の状況
周産期医学 1996;26(4) 465


学生諸君にひとこと

良き伝え手になるために大切だと私が考えているのは、知識の量ではなく、洞察力、思考力、人間の魅力です。それらはひとえに経験と苦労が作るものだと思っています。あらゆる経験や苦労を厭わず、考え、語り、書いてください。科学技術や芸術は人間の所産として瞠目感嘆すべきものですが、どこに向かうのかわからない「あやうさ」も持っています。だからこそ科学を伝える仕事は面白いのではないでしょうか。



研究室の所在地

1号館 501号室

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