早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース top line
これは2005年度から2009年度までのMAJESTyプログラムのアーカイブです
English
space
spacer 政治学研究科長ご挨拶 spacer プログラム・マネージャーご挨拶 spacer 教員紹介 演習(論文指導)担当 spacer 教員紹介 spacer 助手紹介   学生のひとこと spacer
pagetitle03_3
小林写真 小林 宏一 Koichi KOBAYASHI
 

Koichi KOBAYASHI

早稲田大学政治経済学術院 教授

担当授業:メディア論、メディア産業論、ネットワーク社会の実相、
科学技術政策論




専門分野

社会学を専攻した大学時代には、マルクス主義イデオロギー論の系譜を引く(というより、当時、それを「修正」したとマルクス主義者達から批判されていた)知識社会学に焦点を合わせた研究活動を行っていた.「知識の存在被拘束性 (Seinsgebundenheit) 」といわれる−イデオロギー論、知識社会学に通底する−基本発想は、アメリカの学問風土のなかで「科学(技術)の社会学」として結実したと語ったのは、社会学の碩学のひとり、R.K.マートンだが、いま振り返ってみれば、大学を出てから私がやってきたことのほとんどは、たまたま足を踏み込んだ情報メディア領域を、そうした「科学(技術)の社会学」の理論的道具立てで照射することだったといえそうである.
これまでの研究活動においていまひとつの導きの糸となったのは、知識社会学を学ぶ過程で接近することになった−そして大学紛争期においてこの学派に属す学者の著作が数多く刊行されてもいた−フランクフルト学派の「 positiv になるな、常に negativ/kritish であれ」という「批判理論 (Kritishe Theorie) 」のエートスであったことを付記しておく.


略歴

 

1942年5月

新潟県柏崎市(角栄・拉致・原発・少女監禁事件のご当地)生まれ

 

1975年3月

早稲田大学大学院文学研究科博士課程社会学専攻 単位取得満期退学

 

1971年4月

(財)電気通信総合研究所 専任研究員

 

1984年4月

成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科 助教授→教授

  1992年4月 東京大学社会情報研究所 教授
  2003年4月 東洋大学社会学部メディアコミュニケーション学科 教授
  2005年10月 早稲田大学政治経済研究科 客員教授(非常勤扱)
  2006年4月 同上 客員教授(常勤扱)となる予定

学位は修士号のみ(「文科系に博士号は不要だ」というある時期まで有力だった−ありがたい−風潮に便乗する). あと付け加えるなら、僅か10年の勤続にもかかわらず東京大学から名誉教授の肩書きをいただいている.

大学院博士課程に在学しながら、最初に勤めた職場((財)電気通信総合研究所.その後分割され、現在は(財)国際通信経済研究所と鰹報通信総合研究所となっている)は、電話の積滞(電話の加入申し込みをしてもすぐ設置してもらえない状態)解消のめどが立ち始める一方で、情報化社会論が提唱され始めるという時代の転換を敏感に察知した電電公社(現在のNTT)を中核にして設立された、メディアと社会の相関をさぐる研究所であった.その後、上に見るように、結構、頻繁に職替えをしてきたが、この間一貫してやってきたことを、「専門分野」で記したこととは別のことばでいうとすれば「情報化関連諸動向の批判的検証」であったといえよう.


趣味&特技

  • いわゆるDIYがらみで様々な領域を手がけおり、最近ではタイル張りに挑戦し、連れあいから合格点をもらった. また、かつて、ラジオ製作に打ち込んでいたこともあって半田付けには自信がある(ただし、その腕を示すチャンスは、最近なかなかない).
  • かつてエネルギーを注いだ登山に再挑戦を計画中(熟年登山というやつ).
  • 好きな音楽ジャンルは−世代柄−ジャズで、iPod にしこたま詰め込んであるが、それを常時持ち歩いているかといえばそうでもない.


過去の業績

勤め始めてからの(批判的)論考の領域を、時代順に列挙すれば、情報メディア、コミュニケーション文化、情報化社会、ニューメディア、欧米メディア政策・産業、地域情報化、CMC(Computer-Mediated Communication) 、コミュニケーション・エンジニアリングといったものになるだろう.具体的業績のいくつかを以下示す.

・「メディア融合と人間行動」
(児島和人・橋元良明編著『変わるメディアと社会生活』ミネルバ書房 1996年刊 所収)
・「地域情報化政策の展開とその問題点」 (日本社会情報学会学会誌No.9 1997年刊 所収)
・「メディア性とメディア秩序」
(児島和人編 『講座社会学8 社会情報』 東京大学出版会 1999年刊 所収)
・「メディア変容と既存マスメディアの役割
(放送学研究 No50 NHK放送文化研究所 2001年刊 所収)
・『コミュニケーション論』(武蔵野美術大学出版局 2002年刊)
・「マイクロソフトの<帝国>性」
(伊藤他編 『パラダイムとしての社会情報学』 早稲田大学出版会 2003年刊 所収)
・「ディジタル時代の放送世界−歴史的パースペクティブから」
 (橋元良明・吉井博明編 『ネットワーク社会』 ミネルバ書房 2005年刊 所収)

正直言って、私自身のジャーナリズム論そのものへの関わりは、これまでのところ希薄だったといえ、むしろ、情報メディア技術と社会との相関を長年にわたって「批判」的に論じてきた私の研究・教育実践を、ジャーナリズム論的視点から改めて捉え直してみたら何が言えるか、というスタンスからの貢献をめざしていきたい.


学生諸君にひとこと

月並みだが、ジャーナリストには広い視野が求められる.理系・文系それぞれの領域から出発した学生諸君が相交わるこのコースは、それ自体が視野を広めるに格好の「空間」であることを認識し、ここで−われわれ教員も含めた−「知のシンポジオン」(時には文字通りの「饗宴」)がくり広げられたらいいなあ、と考えている.
それから、英語(もちろん他の言語でも良いのだが)の文献をそれほど辞書のお世話にならずに読める力は是非つけてほしい.


研究室の所在地

1号館 502号室
(研究室は5階だが、エレベータは4階まで.ロフト的たたずまいでちょっとわかりにくいが探されたし).

spacer 政治学研究科長ご挨拶 spacer プログラム・マネージャーご挨拶 spacer 教員紹介 演習(論文指導)担当 spacer 教員紹介 spacer 助手紹介   学生のひとこと spacer