J-Schoolの5つのコンセプト
ジャーナリズムコース(J-School)は、学生が獲得すべき5つのコンセプト(養成目標)を掲げています。そして、それぞれのコンセプトに対応した科目群を用意しています。
(1)批判的思考力
方法論科目
「データの見方」「リサーチデザイン」「公共の哲学」「表現の自由の基礎理論」
(2)ジャーナリズムやメディアの役割に対する深い洞察
ジャーナリズム・メディア研究セミナーと同研究科目
「ジャーナリズム研究」「ジャーナリズムの使命」「報道現場論」「情報法」「パブリック・リレーションズ」など
(3)専門知・幅広い専門分野についての科学的知識と哲学の理解
専門研究科目
「現代政治思想」「ジャーナリストのための経済学入門」「日本外交論」「スポーツ表象論」など
(4)プロフェッショナルな取材・表現力
実践科目・知識情報リテラシー科目
「文章表現」「ニューズルーム」「ビデオジャーナリズム」「ウェブジャーナリズム」「調査報道の方法」など
(5)現場知・フィールドに基づく思考
インターンシップ・実践科目
5つのコンセプトの狙い
ジャーナリズムコースでは(1)の批判的思考力を、最も重要な習得目標に位置づけています。
方法論科目を通じて、さまざまな事象に対する科学的・客観的なアプローチ方法、分析方法を学ぶことを主眼としています。科目は、「公共の哲学」「表現の自由の基礎理論」といった規範理論と、「データの見方」「リサーチデザイン」といった経験的方法の2つのジャンルがあります。「規範」と「経験」の科目がそれぞれ選択必修であり、4単位以上の履修が求められます。
(2)のジャーナリズム・メディアの理解についてです。
メディアの構造の変化とともに、従来からのジャーナリズムやマスメディアに対する批判の声が目立つようになりました。市民が誰でも容易に情報発信できる時代になりましたが、そのメディア環境のなかで、プロフェッショナルなジャーナリストとして真に実践的な活動をしていくには、ジャーナリズムやメディアの構造、歴史、理論を批判的に学び、考えることが重要な役割をはたします。J-Schoolでは、こうした思考を深めていくための講義や演習を用意します。
(3)の専門知もとても重要です。JーSchoolの学生に対する研究指導としては、ジャーナリズム・メディア研究だけでなく、例えば「国際政治とジャーナリズム」といった、専門分野に深く根ざした研究を勧めています。具体的な課題にアプローチしつつ、同時にジャーナリズムを捉え直す営みは、学生の思考力、洞察力を着実に鍛えてくれます。
(4)のプロフェッショナルな取材・表現力は、J-Schoolならではの特色です。現役ジャーナリストを講師とし、取材・記事執筆の基礎を学ぶ「ニューズルーム」は春期、秋期を通じて計9クラスを開講し、1クラス5人~10人の少人数形式を基本としています。講師の人選は、「知名度」よりは、どれだけ充実した授業を展開してくれる力を有しているか、ジャーナリズム・エデュケーターとしての「実力」に重きを置いています。朝日新聞提携講座である「ニューズルームD」は、朝日新聞ジャーナリスト学校と協議し、主任研究員の方に講師をお願いする形を取っています。
取材・記事作成の基本を身につけるとともに、映像とウェブの実習を重視することも、J-Schoolの特徴です。21世紀に「個」として強いジャーナリストとして活躍するには、マルティメデイアを使いこなす能力が必要になってきます。
(5)のインターンシップはj-Schoolの必修科目です(社会人学生は免除)。現場に立ち、そこで徹底的に考えることを重視します。インターンシップ先としては、メディア企業だけでなく、将来の取材対象となる自治体や地域の現場も勧めています。
J-Schoolにとっては国際化も主要なキーワードであり、(1)から(5)において、それぞれ英語による科目や機会を用意しています。