あなたの受けている教育、あなたのモノですか?
MAJESTy・J-School元スタッフ
山田 耕
 
 この度、2020年3月をもって早稲田大学政治学研究科ジャーナリズムコース准教授の職を辞し、広島にある安田女子大学現代ビジネス学部へと移りました。広島にお寄りの際は、ぜひお声がけください。
 
 さて、私は、2005年10月に早稲田大学政治学研究科内に設置された科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)の助手として採用され、教育職のキャリアをスタートしました。それ以来、2009年から2012年までの間を除いて(神戸大学にいました)、2020年まで約12年間を政治学研究科の教員として教育活動に関わってきました。2005年から2009年までの間はMAJESTyの立ち上げ準備、学生さんの募集、そして、実際のコース運営を支えてきました。一方、2012年からはジャーナリズムコースの運営に関わってきました。
 
 この間に経験したことは、教育初心者として大変勉強になることばかりで私の貴重な財産です。その中で私が鮮烈に覚えていることは、2006年にMAJESTy1期生の学生さんと教員との間でカリキュラムについて話し合う会議が持たれたことです。図はそれぞれその時の様子と話し合いの一部です。教員・学生両者が真剣にジャーナリズム教育の未来について議論を交わした場でした。カリキュラムというのはなんとなく“そこにある”ものと思っていた私としては、自分の受け身的な考えを恥じた記憶があります。
 
MAJESTy時代の教員と学生の話し合いの会の様子(2006年6月16日)。中央にいるのは、MAJESTyプロジェクトマネジャーの谷川建司先生
 
学生さんからの提案内容スライド(抜粋)とその時の速記録
 
 そこから約15年が過ぎ、ジャーナリズムを取り巻く環境は変化しています。学生の皆さんにとってもう一度、自分たちの受けるジャーナリズム教育というものがどうなのかという点検をしてほしいと思います。未来を担うのは皆さんです。皆さんが求めるジャーナリズム教育像というものを今一度教員と議論してみてはどうでしょうか。
 
 新しいところでは、今までの経験をもとに新たな研究も展開したいと思っています。大学に身に置くものとして研究も重要な仕事と考えています。この稿では具体的な研究内容について触れておりませんが、様々な社会的事象をジャーナリズムという切り口で研究していこうと考えています。それでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
同窓会報第11号記事
2020.5.14配信